湯の峯荘(和歌山県)




■湯の峯荘(湯の峰温泉)
 ・黒瀬的オススメ度 : ★★★★★★★★★★
 ・訪問時期 : 2016年10月
 ・住所 : 和歌山県田辺市本宮町下湯川437(参考)
 ・電話番号 : 0735-42-1111(参考)
 ・営業時間 : −(参考)
 ・泉質 : 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(中性低張性高温泉)
 ・PH値 : 7.8
 ・湯温 : 89.6℃
 ・TAG : <低張性> <中性> <名湯百選>
 ・HP(参考) : 湯の峯荘


湯の峯荘(湯の峰温泉)


湯の峯荘(貸切湯)



【寸感】
和歌山県は奥熊野に位置する名湯百選・湯の峰温泉の宿「湯の峯荘」です。

泉質はph7.8、源泉温度89.6℃の含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。

源泉の注ぎ口に近づくまでもなく、硫化水素の香りを楽しめます。
湯は新鮮であれば、無色透明で、ここから時間経過(循環ろ過などの対応もあるが)とともに徐々に白濁りが入ってくる感じですかね。
黒瀬訪問時は、ほぼ透明であるが「微かに(白くはないが)濁りがあるかな?」といった感触でした。
飲泉可能で、飲むとナトリウム・炭酸水素塩温泉を基調としたまろやかながら癖のある味。
(ナトリウム-カルシウム-硫酸塩温泉の牛乳を飲んだような後味ほどではないけれど……)

浴感としては、硫黄成分による浴後に持続するぽかぽか感があり、弱アルカリ由来に脱脂効果、ここにナトリウム・炭酸水素を由来の肌にまとわる微かなすべすべ感・さらさら感ありと、死角のない湯です。
ここに白色で糸状の湯の華が漂い、水分補給したいとなったら注ぎ込まれる源泉をそのまま飲泉できるということなしです。
素晴らしい。

含有成分で特筆すべきところは、ナトリウムイオン(422.5mg/1kg)、炭酸水素イオン(797.9mg/1kg)、メタケイ酸(153.14mg/1kg)、遊離硫化水素(3.57mg/1kg)。
成分表上の表記では以上だったけれど、フッ素イオン・メタホウ酸も相当数含まれているはず。

湯船の構成としては、内湯一つに露天風呂二つ(仕切られてはいるが真ん中で繋がっており実質一つといえなくもない)の浴場。
そして、内風呂二つに、露天風呂一つの浴場が、夜10:00で男湯・女湯として入れ替わります。

黒瀬訪問時は前述した方が男湯でしたが、こちらの浴場の方が長湯向けの作りを実現していると感じました。
具体的には、露天風呂の仕切りを挟んで、実質的に熱湯・ぬる湯となっており、冷熱交互浴とまではいかないものの、ぬる湯で火照った体を休ませることが可能。
17:00までは日帰り入浴客も入浴可能ですが、それを差し引いても狭さを感じる場面はなさそう。
どちらも内風呂・露天を合わせて20人以上の規模が一度に浸れるサイズの湯船のサイズです。
なお、サウナや打たせ湯といったものはなく、どこも浸るだけの浴槽です。

後はここに鹿の湯・薬湯という二つの貸切風呂もあります。
どちらも、3〜4人サイズの家族風呂といった作りで、違いは洗い場の有無ぐらい。
「一回の利用を20分程度で……」と注意書きされていましたが、20分は短くないですかね?
湯はややぬる湯で、こちらも湯の華が舞い……と申し分ないが、密閉度のない囲いで覆われた小屋みたいな作りなので、夏場はともかく秋冬の期間は脱衣場は非常に寒さを感じるだろう点が注意点でしょうか。
後、湯の注ぎ口が飲泉できる作りになっていないので、こちらの貸切風呂で飲泉というのは困難かと。
個人的には、わざわざ積極的にチョイスする理由のない貸切風呂という感触。
大人しく大浴場の内風呂・露天風呂に入って置けば間違いないかな……と。

周辺観光地という観点で見ても世界遺産の熊野古道(興味のない人にはただの山道だが)があり、その一部として世界遺産の湯「つぼ湯」もある。
つぼ湯までは徒歩でアクセスしようとすると片道10分程度掛かります。
近いとは言えないですが、黒瀬的には夜間訪問時に散策がてらプラネタリウムを見ているかのような星空を楽しみつつという体験になったため、その道程さえ良かった。

正直、評価としては9.4〜9.5あたりの点数で満点とまでは行かないけど、そこは甘めに切り上げておススメ度10としたいと思います。
温泉好きなら訪問して損はない。

え? 和歌山県に甘いんじゃないかって?
いやー、実際素晴らしい湯に、湯の峰荘としてのプラス要素ではないものの、唯一無二の体験ができる世界遺産の湯「つぼ湯」にアクセス可能というのはやはり大きい。
ちなみに、つぼ湯は下手な時期・下手な季節に訪問すると数時間単位で待たされるので注意が必要です。
21:30まで入れるので、湯の峯荘や他の湯の峰温泉の旅館に宿を取れば、食後一服した後に……というのも出来ますよ。


【三行】
 ・掛け流す湯の峰温泉の湯をぬる湯で浸れる露天風呂がある。最高。
 ・完全にごり湯化した「つぼ湯」も確かにいいけれど、白濁りする前の新鮮な湯の峰温泉の湯も良い。しかも飲泉可能。
 ・星空を売りにしているだけあって、晴天の日の夜空はちょっと都会では味わえない感じです。




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