■日進舘(万座温泉)
・黒瀬的オススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
・訪問時期 : 2016年09月
・住所 : 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401(参考)
・電話番号 : 0279-97-3131(参考)
・営業時間 : −(参考)
・泉質 : 酸性・含硫黄-マグネシウム・ナトリウム硫酸塩温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)
・PH値 : 未記載
・湯温 : 66.5℃
・TAG : <低張性> <酸性>
・HP(参考) : 万座温泉日進舘(公式ホームページ)・・・乳白色の湯、木の湯船、標高1,800m万座温泉の老舗。
【寸感】
群馬県は海抜1800mの高所に存在する、日本トップクラスの高所温泉の一つ「万座温泉」に属する宿です。
泉質は酸性・含硫黄-マグネシウム・ナトリウム硫酸塩温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)。
源泉温度66.5℃で、pHは未記載だか肌を刺すピリピリ感がないのでpH1.5を下回ってくるような強酸性ではないと思われます。
源泉は本来無色透明。
尤も、訪問時期にもよるが、湯船に溜められた湯は白濁していると思われる。
それでも、湯船の栓を完全に抜いて清掃した後などは、白濁前の湯に浸ることも可能です。
まぁ、時間経過とともに白濁する感じなので湯の新鮮さという点ではあれですが、白濁している方が風情はありますよね……。
ちなみに、注ぎ口から流し込む温泉は無色透明です。
※複数の源泉を一カ所に集めポンプでくみ上げている混合泉ですが。
湯は飲泉不可。
口に含むと酸っぱさに加えかなりの苦みを感じさせ「ああ、これは摂取しちゃいけない成分だ」と本能的に警告を受けるタイプの湯です。
ただただ「まずい」で済む感じではなく、肉体が拒否する感覚。
源泉の名前に「苦泉」と名付けられているだけは有ります。
また、香りも多分に遊離硫化水素を含み、乖離成分にも硫酸を含んでいることに起因しているのでしょうが、硫黄泉によくある腐卵臭に加えて「ああ、体が受け付けない臭いだ」と強く感じる硫化水素の苦い匂いも感じ取れます。
含有成分で特筆すべきところは、水素イオン(4mg/1kg)、メタケイ酸(258.6mg/1kg)、メタホウ酸(10.6mg/1kg)、遊離硫化水素(42.7mg/1kg)。
ここに硫酸イオン(593.7mg/1kg)が加わり主成分。
ぬるぬる感といったような特徴的な浴感には薄いですが、暖まり易く冷め難い良い白濁湯です。
ミクロ的な視点だけでなくとも、玉川温泉などと同様に湯治による効果を存分に体感できる湯としても色々逸話に事欠かない湯でもあるため、ゆっくりと腰を落ち着けて浸るのも良いかと。
湯船の構成は、まず浴場が三カ所。
日帰り入浴では、館外にある展望露天風呂と館内の二カ所が利用可能で、ここに宿泊者専用の浴場が加わる。
館内日帰り入浴客利用可能の浴場は、内風呂5つ、露天風呂2つの構成。
一つは60℃オーバーの源泉で湧水(冷たい)を加温している白湯の浴槽で、ほぼ一人用のぬる湯。
二つ目は同じように60℃オーバーの源泉で湧水(冷たい)を加温した湯を打たせ湯として注ぎ込む、ほぼ一人用、ぬる湯の浴槽(若干、白濁り有)。
後の三つは、源泉掛け流し浴槽(3〜4人用)、温度の異なる加水槽が二つ(どちらも6〜7人が浸れるサイズ)。
露天風呂に移ると、2〜3人用サイズの湯船が二つ。
尤も、二つとはいっても、一つの大きな浴槽を仕切る形を取っており、片側が熱湯で、もう片側がやや熱湯の構成。
熱湯側は山形・蔵王温泉で味わったほどではないものの、熱くて入っていられないレベル。
(蛇足になりますが、熱くて入っていられない度合いでは、それでも日光元湯温泉よりはマシ)
店員曰く「44℃ぐらいになるよう管理している」といっていたが、酸性泉で熱めに感じられる傾向にあるとはいえ、黒瀬的にはとてもそんな温度で管理されていたとはちょっと思えない。
なお「ちょっとこれは……」と思った点は、露天風呂での湯の汚れが気になった点。
上から綺麗な温泉がなみなみと注ぎ込まれているんですが、湯船の底か中程から湯が溢れないよう抜いて管理しているらしく、湯船内に汚れが溜まる構造なんですよね。
これはかなり戴けない。
館外の展望露天風呂は洗い場等はなく汗を流すだけの設備。
展望というだけあって熊四朗山を含むパノラマが見渡せ、秋口の紅葉の頃・冬場の雪景色では素晴らしい体験ができると思われます。
湯船のサイズは7〜8人が一度に浸れるサイズで、白濁はこの展望露天風呂が一番強かった印象。
【三行】
・海抜1800mの高所に存在する、日本トップクラスの高所温泉の一つ。
・源泉の味わいでも、香りでも「ああ、これは摂取しちゃいけない成分だ」と本能的な危険を体感できます。
・源泉ままの湯船は下手すると熱くて浸っていられないレベルだが、それでも上を見ればまぁ。