■夕映えの宿 汐美荘(瀬波温泉)
・黒瀬的オススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
・訪問時期 : 2016年05月
・住所 : 新潟県村上市瀬波温泉2丁目9−36(参考)
・電話番号 : 0254-53-4288(参考)
・営業時間 : −(参考)
・泉質 : ナトリウム-塩化物温泉(アルカリ性低張性高温泉)
・PH値 : 未記載
・湯温 : 82.3℃
・TAG : <源泉掛け流し> <低張性> <アルカリ性>
・HP(参考) : 夕日の美しいホテル 夕映えの宿 汐美荘|新潟県村上 瀬波温泉
【寸感】
新潟下越地方の名湯百選「瀬波温泉」にあって、源泉湯師と夕映えソムリエの居る宿「汐美荘」です。
笹流れを通って秋田へと移動する際、いつも脇を通過しながら気になりつつも素通りしていた名湯百選「瀬波温泉」に今回立ち寄り宿を取りました。
まず最初に、夕映えソムリエに刻一刻と表情を変える夕暮れを説明して貰う手筈だったんですが、黒瀬宿泊日は残念ながら生憎の曇り空となり、夕焼けは「見たこと」にして終わりとなりました。
まぁ、運が悪いとこんなことになりますという意味で。
さて、もう一つのメインである温泉はというと、泉質はナトリウム-塩化物温泉(アルカリ性低張性高温泉)で、82.3℃の高温泉。
含有成分量で特筆するべきところは、リチウムイオン(1.2mg/1kg)、ナトリウムイオン(1212mg/1kg)、フッ素イオン(5.5mg/1kg)、臭素イオン(7.2mg/1kg)、ヨウ素イオン(1.9mg/1kg)、メタケイ酸(159.1mg/1kg)、メタホウ酸(37.6mg/1kg)といった感じ。
ここに塩素イオン(1970mg/1kg)が加わり、特に脱脂効果と保温効果が抜群。
後から後から汗が浮かぶという感じではないけれど、湯冷めし難いという点では長く尾を引きます。
殺菌作用が期待できる成分が目白押しな所に、コーティング・保湿効果が期待できる成分も混ざります。
事実、保湿面でのしっとり感はかなりのものだと感じました。
湯船の構成は内風呂一つ、露天風呂が三つ、サウナに水風呂といった構成。
露天風呂の内の二つは「源泉湯師」が湯温等を管理する源泉掛け流しの小さい湯船になります。
そこに源泉がちょろちょろと注ぎ込まれておりましたが、ほぼお一人サイズの方の湯船は微量しか注ぎ込まれていない癖して源泉温度が80℃オーバーもあるせいか、熱い熱い。
湯揉み板が置いてあるんですが、ちょっと湯揉みしてどうにかなる熱さじゃなかったね。
草津温泉で体験した湯揉み体験を生かして十五分ぐらい湯揉みしていれば何とかなったのかも知れないけれど、ちょうど良い温度になっていた湯船の体格が大きいもう一つの方に大人しく浸りました。
ちなみに、湯揉みをすると「湯の華が……」みたいな記載が注意事項にあったんですけど、黒瀬の体感上、湯の華っぽいのは確認できませんでした。
(直近で新潟県は赤倉温泉に浸っていて「ああ、これこそ湯の華が躍る湯だ」というのを目の当たりにしていたからかも知れないが)
また、微黄白濁と記載のある湯でしたが、微黄の方も「無色ではない」程度の寸感です。且つ、白濁の方も問題なく湯船の底が目視できるレベルなので「白濁……?」というのが正直なところ。
また同じく新潟県は新発田温泉「あやめの湯」の方がこの微黄白濁の記載に合致するイメージ。
文字で感じる印象ほどには色合い・白濁共に仄か。
海岸部の強塩泉ということで、ぶっちゃけ「どこぞの海岸部の温泉郷みたいに海水が温まっただけなんじゃないの?」みたいな穿った考えもあったんですけど、割と成分豊富で安心しました。
名湯百選に選出された背景には良い泉質というよりも、夕日が綺麗な景勝地・快水浴場で、恋人の聖地(最近はどこにでもあるけど)で、近場に桜の名所がある等等、保養地としての強みがあり、入浴環境も日本海の細波の音を聞きながら温泉に浸ることが出来るという立地的な強みがあるからでしょう。
後はまぁ、与謝野晶子が愛した温泉だったり、学術的に貴重なまんじゅう岩があったり云々かねぇ。
珍しく食事面に触れますが、地元村上由来の食材がたっぷりと盛り込まれており非常に良かったと感じました。
地元に特産の何たら牛がないから「どこかしこ産の牛肉を持ってきました」なんてことをしなくても、そもそもそんな食事が目当てなら産地まで足を運びますと黒瀬的には言いたいです。他所の温泉地の文句じゃないか……。
2016年では黄金週間に差し掛かる頃合いであったのにも関わらず、まだ桜が散っていなかったというのも印象プラス。
愛知県ではあっという間に散ってしまい、じっくりと味わうことの出来なかった桜を、時期には多少遅れたとはいえ堪能できたのも良かった。
【三行】
・源泉湯師と夕映えソムリエがおり、刻一刻とその表情を変える沈み行く夕陽を耽美な言葉で説明してくれます。
・脱脂効果・保温効果は抜群で、保湿もかなりのもの。
・2016年では黄金週間に差し掛かる頃合いであったのにも関わらず、まだ桜が散っていなかった。