増富の湯(山梨県)




■増富の湯(増富ラジウム温泉)
 ・黒瀬的オススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 ・訪問時期 : 2016年04月
 ・住所 : 山梨県北杜市須玉町比志6438(参考)
 ・電話番号 : 0551-20-6500(参考)
 ・営業時間 : −(参考)
 ・泉質 : 含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(中性低張性低温泉)
 ・PH値 : 6.3
 ・湯温 : 27.3℃
 ・TAG : <低張性> <中性>
 ・HP(参考) : 増富の湯 -山梨県- 増富温泉 日帰り入浴施設

増富の湯



【寸感】
山梨県の名湯百選が一つ「増富ラジウム温泉」にある日帰り入浴施設です。
低張性とは言っても含有成分量は6000mg/1kgを超えており、非常に豊富な成分量を誇ります。
源泉温度27.3℃と低く、湯船も微温湯で管理されているため長時間の入浴に向きます。
……が、湯船の構成については後述しますが露天風呂はなく、また野外の景色を楽しめる施設の作りにもなっていないため、入浴環境的には長湯に向いているとも言い難い感じです。
天井が高く圧迫感や窮屈感がないのはいいけれど、もう少し何とかならないかと思う部分でもあります。
(見れても、大自然じゃないかという話もあるが)

湯の色は褐色で底までどころか湯船の深さの半分程も見通せないレベル。
湯の色合いだけを見ると、奈良「山鳩湯」や滋賀「須賀谷」なんかに近い印象を受けますが、増富温泉では鉄分メインではないのでまたわけがちょっと異なります。

含有成分で特筆するべき所は、リチウムイオン(5.2mg/1kg)、ナトリウムイオン(1574.8mg/1kg)、第一マンガンイオン(11.2mg/1kg)、鉄(2)イオン(11.2mg/1kg)、炭酸水素イオン(1584.8mg/1kg)、メタケイ酸(103.6mg/1kg)、メタホウ酸(190.9mg/1kg)、遊離二酸化炭素(1056.5mg/1kg)と目白押し。

ここに、フッ素イオン(1.8mg/1kg)、臭素イオン(4mg/1kg)なんかも基準まで後一歩という量が含まれており、殺菌・コーティング・保温・保湿等等、様々な効能が期待できる湯です。
いやー、一ヶ月くらい湯治に行きたい湯ですよ、本当に。
温度の低い源泉を加温しているため、1056.5mg/1kgも入っている遊離二酸化炭素を肌で感じることはできませんでしたが、アルカリ由来の脱脂効果ではなく、成分由来で体の脂分やら汚れやらが落ちていく感覚をたっぷりと味わえます。
まぁ、これも成分豊富なナトリウム-炭酸水素塩泉(重層泉)程ではないですけどね!

湯船の構成は微妙な温度差で分けられた(2〜3℃ぐらいずつ異なる)内湯がまず三つ。
ここに、ジェットバスと加温槽、打たせ湯という構成。
露天風呂・サウナはありません。
但し、黒瀬訪問時は一部工事中だったので工事完後は構成が若干異なる可能性があります。

打たせ湯は稼働時間帯と停止時間帯がそれぞれ割と長いスパンで交互に設定されており、烏の行水派から小一時間程度の入浴ペースの方々では稼働しているところを見ずに終わる可能性があります。
また、稼働も記載されている定刻きっかりではなく、時間に合わせてスタンばっていた黒瀬は肩透かしを食ったりしました。

注意点としては加温槽も比較的ぬる湯なので、冷熱交互浴後、湯上がりには気を付けたいところ。
温泉に浸りに行って風邪を引いたでは笑えませんからね。
夏場はともかく、秋口・春先なんかは温まりきっていないところであがって湯冷えして……なんて本末転倒なことになり兼ねません。

総括すると「茶褐色の成分豊富なぬるま湯に浸れるぜ!」でテンション上がるようなタイプじゃないと、長時間というのはきついかも知れない。
引っくるめて湯治向き。

山梨の名湯百選は増富ラジウム温泉・下部温泉とぬる湯が二つもノミネートされているんですなぁ。
下部温泉も増富ラジウム温泉も夏場に宿を取って涼を取るには最適だと思うんですけど、どちらも結構な山中に位置しており温泉に浸る以外、特に何か楽しめるものがないというのがつらいところですかね。
(増富ラジウム温泉に至っては、山奥と記しても差し支えない、……いや、下部もか)
「周辺の観光施設……? なにそれ美味しいの?」という感じ。
日頃の喧騒を忘れ、のんびりと疲労を癒すというのには持って来いなので、目的はそちらに絞った方がベストかと。


【三行】
 ・含有成分量は6000mg/1kgを超える褐色の湯で、冷熱交互浴後が堪能出来ます。
 ・難点は微温湯で長時間向きの湯質なので、入浴環境が長時間向きを伴っていないこと。
 ・周囲に何もない温泉地だけど、だからこそ一ヶ月くらい湯治に行きたい湯です。




名湯放蕩録トップページに戻る


深守総合案内所トップページに戻る

暫定