■公共の宿 国民宿舎 松代荘（松代温泉）
・黒瀬的オススメ度 ： ★★★★★★★★★☆
・訪問時期 ： ２０１５年０９月
・住所 ： 長野県長野市松代町東条3541番地（参考）
・電話番号 ： 026-278-2596（参考）
・営業時間 ： 10:00〜22:00 （受付終了21:30：日帰り時）
・泉質 ： 含鉄（U）-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉（中性高張性高温泉）
・ＰＨ値 ： 6.7
・湯温 ： 45.2℃
・TAG ： ＜中性＞ ＜高張性＞
・ＨＰ（参考） ： 公共の宿 国民宿舎 松代荘
【寸感】
尼飾山の麓より湧き出すあらゆる成分がぎゅっと濃縮された武田信玄の隠し湯こと、松代温泉です。
武田信玄絡みで「隠し湯」と言われている割には珍しく微温湯や冷鉱泉ではない温泉郷です。
特に「兵士の傷と疲れを癒したという由緒ある名湯」とまで言われてる割には、微温湯でないことに意外な感じすら黒瀬は覚えます。
泉質という面では、成分の濃さを踏まえて一度入っておいて損はありません。
「わざわざ長野まで足を運んでも」という意味でも、です。
浴槽の底どころか中程までさえも全く見通すことの出来ない茶褐色の湯は視覚的にも効能的にも、一度体験しておけば話の種になること請け合い。
さらに言うなら、浴槽に、注ぎ口に、温泉成分が時間を掛けて作り出す造形物が形成されております。
岐阜は平湯温泉などでも見られる光景ですが、茶褐色の色と相俟ってかなり見応えのある光景です。
日帰り利用の際は、内湯二つに、露天風呂が一つの構成。
内湯は半身浴用の小さな湯船（２〜３人）と、十数人が一度に浸れる浴槽。
露天風呂はパーソナルスペースを考慮して５〜６人が精々でしょうかね。
源泉を掬って鼻に近付けると、鉄分の匂いを感じ取ることが出来る湯です。
宿泊では宿泊者専用の湯船があるわけですが、日帰り可能な距離であれば日帰りでも十二分に堪能できると思います。
そして、そもそも湯治目的ならば一週間ないし二週間と言った期間どっしりと腰を据えて温泉に浸る必要がありますからねー。
成分的には日本有数の高濃度を謳う通り、あらゆる成分が豊富。
その中でも、鉄分イオン（20.7mg/1kg：参考）とメタホウ酸（905.7mg/1kg：参考）、マグネシウムイオン（279.7mg/1kg：参考）、カルシウムイオン（1136mg/1kg：参考）が黒瀬的には目に付きますかね。
メタホウ酸/鉄分イオンで消毒・殺菌効果を期待して、マグネシウムイオン/カルシウムイオンに炎症鎮静効果を期待するという点で、慢性皮ふ疾患や結膜炎といった類の疾患の緩和に効果抜群が期待できます。
まー、マグネシウムイオン/カルシウムイオンの含有量的に入浴中のぬるぬる感は期待できませんし、実際感じられませんが、浴後のしっとり感はかなりのものです。
しっとり感は体感的なもの以外でも、成分的にナトリウムイオン（3125mg/1kg：参考）、メタケイ酸（158.4mg/1kg：参考）の含有量から高い保湿効果が期待できます。
さらに言うなら遊離二酸化炭素量が953.6/1kg（参考）あり、冬場等に身体の芯から温まりたいとかいう用途向くと言えるんじゃないでしょうかね。
湯量も豊富で「多人数が入っても清潔な湯を維持できる」と思いきや、人が入れ替わり立ち替わり入っていた露天風呂はお世辞にも綺麗とは言えなかったかな……。
そういう意味では、立ち替わり入れ替わり人が出入りする忙しさとは無縁に、宿泊で静かに落ち着いて湯に浸るというのも有りでしょうねー。
【三行】
・日本有数の高濃度温泉の謳い文句通りの成分を有しています。
・浴槽に、注ぎ口に、温泉成分が時間を掛けて作り出す造形物も含めて、一度足を運んでおいて損はない。
・武田信玄の「隠し湯」と括られる中では珍しい高温泉です。