長寿館(群馬県)




■長寿館(法師温泉)
 ・黒瀬的オススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 ・訪問時期 : 2015年08月
 ・住所 : 群馬県利根郡みなかみ町永井650(参考)
 ・電話番号 : 0278-66-0005(参考)
 ・営業時間 : −(参考)
 ・泉質 : カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
 ・PH値 : 8.2〜8.4
 ・湯温 : 42.2〜42.7℃(使用温度:41.8℃)
 ・TAG : <名湯百選> <源泉掛け流し> <高張性> <弱アルカリ性>
 ・HP(参考) : 長寿館(法師温泉)

長寿館(全体)


長寿館(玄関)



【寸感】
創業140年、国登録有形文化財に指定された群馬県は法師温泉の長寿館です。
それぞれ、長寿乃湯・旭乃湯(法師乃湯)・玉城乃湯の三カ所源泉掛け流しの温泉を楽しめますが、泉質の違いは(多少の成分の違いこそあれ)ほぼ体感できません。

まず、旭乃湯(法師乃湯)、
旭乃湯(法師乃湯)は明治28年に建造された木造の建物で、脱衣場とは別に浴室内にも脱衣籠が有ります。
ちなみに、浴室内の脱衣籠は明治28年の完成から使用されていた年代物の脱衣籠(棚)とのこと。

旭乃湯(法師乃湯)の浴槽は四つ。
一つの浴槽それぞれがパーソナルスペースを考慮しても十人は入れるだろう大きさがあります。
昔は、大浴場みたいな扱いだったんじゃないですね。
ちなみに旭乃湯(法師乃湯)は混浴で、バスタオル等の利用はご遠慮下さいとありました。
あしからず。

特記事項としては洗い場はなく、本当に浴槽に浸るだけの場所なので、まずは体を洗い流したい等ある場合は長寿乃湯・玉城乃湯のどちらかを利用してからの方がベストってことでしょうかね。

浴感としては長時間の入浴に向く肌に優しいいつもの弱アルカリ性低張泉の湯あたりで、温度も41℃のぬるま湯です。
香りは文化財としての木造建築物である旭乃湯(法師乃湯)内に足を踏み入れた際には特に感じなかったが、源泉を掛け湯した際・掬って鼻に近づけた際等に、木材系の甘い香りが漂いました。
尤も、これは源泉を浴槽へと流し入れる木製の管のものだったりするかも知れませんが。

露天風呂はないものの、出入り口から向かって奥の窓(開け閉め可能)からは清流のせせらぎを聞くことが出来、木造建築として屋根が非常に高いこともあって開放感があります。

続いて、長寿乃湯。
長寿乃湯は基本女湯ですが、15:00〜20:00の間のみ男湯として利用可能。

特徴としては大小の石が鏤められた浴槽下から源泉が沸き上がっているとのことですが、正直黒瀬は全くそれを体感できませんでした。
ちなみに、浴槽下に大小の石が鏤められているのは旭乃湯(法師乃湯)・玉城乃湯も一緒です。

なみなみと浴槽上部からも湯が流し込まれていましたが、こちらは掬ってみても旭乃湯(法師乃湯)のような香りは感じられませんでした。
基本的に無臭無色透明の湯かと思われます。

長寿乃湯の浴槽は一つで、こちらも露天風呂はありません。
内湯の開放感といった部分も旭乃湯(法師乃湯)とは比較にならず、正直「混浴ではない」という理由以外でわざわざこちらに籠もる理由を感じられないと言わざるを得ない作りです。

パーソナルスペースを考慮しても十人ぐらいまでは入浴可能な浴槽の大きさですが、洗い場に関して言うと「洗い場の体を為していないんじゃないか、これ?」と感じるレベルじゃないかと思います。
少なくとも、そこいらのスーパー銭湯等の現代レベルを当然だと認識していると呆然とするレベルじゃないですかね。
そもそも、洗い場スペースが三人ぐらいしか利用できないので、ほぼ「浴槽に浸るだけの場所」です。
旭乃湯(法師乃湯)の方で、先に体を洗いたい云々書いておいてあれですが……。

最後は玉城乃湯になります。
黒瀬が勝手に感じたイメージとしては「旭乃湯(法師乃湯)を現代風に作り直しました」という風です。
窓の作りや、天井が高い点も踏まえて、雰囲気までをも旭乃湯(法師乃湯)に似せて作ったんだろうなぁと感じます。

こちらは唯一、露天風呂がありますが、湯量が足りずに1km先に湧いている源泉を引いて利用しているとのこと。
湯温を一定に保つため循環しているとあるが、やっぱり露天風呂の効果は大きく個人的には満足度は高いです。

気になった点は、他二つより湯温が若干高い気がする。
ぬるま湯(?)というレベルに感じました。
それでも長時間浸っていられる温度を逸脱しておらず、至福を感じられます。

旭乃湯(法師乃湯)で感じたよりも、木材系の甘い香りを味わうことが出来るかと思います。
源泉が異なる為かは分かりませんが、モール臭といってしまって良いんじゃないでしょうか。

ちなみに、こちらも洗い場にシャワーはなく、鏡もなく、スイッチを押すと木造の湯を流す設備からダバダバとお湯が出る仕組みを持って洗い場となっております。
きちんと髭が剃れてるのか、剃れていないのか分からない辺りは難点ですかねー。
夜間に入浴すると明かりの見せ方についても妙味を感じられ、心から落ち着ける空間が演出されています。

そんなこんなで、法師温泉・長寿館。
泉質以外の部分に触れると、まず外観からして非常に年代を感じる建物です。
国登録有形文化財に指定されているのは伊達ではないですねー。

部屋も外観から感じる趣を裏切ることなく、まるで茶室にでも通されたかのようです。
尤も、清潔感があるため、一晩二晩と過ごす上で苦を感じることはないんじゃないかと思います。

ちなみに、黒瀬が訪問した八月でも既に涼しく(湯上がり後も暑さを感じないぐらい)、僅かにも寝苦しさを感じることはありませんでした。
ただ、密閉度のない作りをしているので冬場は非常に寒いんじゃないかと思わされます。
機会があれば、冬場も訪ねてみたいですねー。

吃驚した点はこの趣を残しつつ、無料wi-fi(フリースポット)が繋がったことだね!
現代的!
まぁ、実用に耐え得るかどうかは別として、本当に簡素な情報の入手なんかは可能です。

料理は夕食・朝食共に料理は量も味も普通。
特筆するべき点はなく、平均値だと黒瀬的には感じます。
より満足度を高めたければ、よりお金を掛けて薫山荘や法隆殿に宿泊するのもいいんじゃないでしょうか。

温泉郷として華やかな雰囲気こそないものの、鄙びていても絵になる木造建築の一見宿。
明治28年に建造された当時の形を残す浴槽で弱アルカリ性のぬるま湯に浸り疲労を癒すも良し、その面影を継承した(と黒瀬が勝手に感じる)玉城乃湯で露天風呂に浸るも良し。
名湯百選に選出されているだけはあると感じさせられます。


【三行】
 ・明治28年完成の木造建築物・旭乃湯(法師乃湯)に浸り、時代を感じながら高張性弱アルカリ性に浸れます。
 ・露天風呂があるのは玉城乃湯ですが、こちらは湯量が足りずに1km先に湧いている源泉を引いて利用。
 ・創業140年、国登録有形文化財に指定されております。




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