■総花 純米吟醸
・【黒瀬的オススメ度】★★★★★☆☆☆☆☆
・堪能時期 : 2015年12月
・酒造 : 日本盛株式会社(兵庫県西宮市)
・【アルコール度数】 15〜16度
・【原材料】 米・米麹
・【日本酒度】 -4
・【酸度】 1.6
・【アミノ酸度】 1.4
・【精米歩合】 55%
・TAG : <純米酒> <吟醸酒>
【寸感】
宮内庁御用達の酒造ブランド「日本盛」が醸す幻の酒。
丹波の山田錦を削って造り、特別な惣花酵母を使用して10度の低温環境下で3段仕込みされているそうです。
そして、明治32年「皇室御用酒」となり、昭和34年の天皇陛下の結婚の祝い酒としても用いられたのこと。
曰く「丹念に造り上げられたまろやかな味わいときれいなごく味、高級品の風情を楽しめる、最高級の日本酒」とのことだが、呑み易さとしっかりとした米の甘さを堪能させる味わい以外は至って普通の日本酒。
なお、香りはほぼ感じられない。
名水百選「宮水」で醸され、且つ純米吟醸の下り酒、そして最後に「宮内庁御用達」と来たので堪能してみたが、正直日本酒好きを唸らせるレベルのものではないと感じる。
甘口の日本酒好き向けというよりも、普段あまり日本酒を味わうことのない人達に向けたものというような印象。
純米の甘さを楽しませる方向性を持たせているが、同時にそれ以上の呑み易さを求めていて、新年を祝うその場のためのものという感じが拭えない。
尤も、そういう酒だと言われればそれまでだし、それで良いとも思う。
新年を祝うための酒、いいんじゃないですか。
辛口好きにはもちろんのこと、甘口好きにも普段のみにはちょっとオススメ出来かねる。
ちなみに燗を付けると、これがまたそこまで甘さが際立つような感じではなくなる。
純粋にアルコールとしての口当たりが際立つようになり、後味に若干の酸味が出るようになる。
どちらが飲み易いかと問われても、こちらが好みと安易に言えない甲乙付け難い口当たり……。
何よりも、そんな高いレベルで争っている訳ではないところが何ともまた。
あくまで黒瀬個人の感想として述べさせて貰うなら、名水百選「宮水」で醸され、且つ純米吟醸の下り酒、そして最後に「宮内庁御用達」まで看板の付いた日本酒としては、期待外れと言わざるを得ない。
まぁ、縁起物扱いで良いんじゃないでしょうかね。
そして、縁起物として一度味わってみるのもいいんじゃないでしょうか。