■辛口純米酒 碧龍
・【黒瀬的オススメ度】★★★★★★☆☆☆☆
・堪能時期 : 2015年09月
・酒造 : 株式会社福光屋(石川県金沢市)
・【アルコール度数】16度
・【原材料】 米・米麹
・【日本酒度】 +8.0
・【酸度】 +1.9
・【アミノ酸度】 不明
・【精米歩合】 75%
・TAG : <純米酒>
【寸感】
燗の美味しい季節になってきましたということで、碧龍はぬる燗でも味わおうかと思います。
まず、芳醇な香りが際立つようになり、特に甘い香りが鼻を付くようになります。
とはいっても、やり過ぎると香りが飛ぶので、熱燗までやるとなると香りの上ではかなり上手に限界を見極めないとキツイと思います。
味の方は冷や呑みに対して、辛さが丸みを帯びる感じです。
+8.0の日本酒度の割には円やかな口当たりになるという言い方が適当でしょうか。
後味には微かに酸味が残るものの、冷やよりも飲み易いかも知れない。
酸度が+1.9あるので元々「濃厚辛口」傾向の純米酒だけど、こちらも濃厚さが際立つイメージ。
燗をつけた際の難点は、さっぱりとした刺身ぐらいしか酒のつまみとして合わせられなさそうということぐらいか。
この味をジャンクフードやらで味わおうとはちょっと思えない……。
次に冷や呑みでの寸感に移ります。
香りは弱くほぼ感じられないレベルと言って良いです。
まぁ、当然ですが香りに関していうと燗と比較すると雲泥の差が出ます。
冷やでは+8.0の日本酒度に見合った相当の辛さを堪能できますが、そこに純米酒としての旨味が凝縮されているかと言うと黒瀬的には「?」が付きます。
引き締まった雑味のないボデーのある日本酒という表現も出来ますが、少なくとも冷やで堪能できるのは「辛さ」だけだと割り切った方が良いでしょう。
酸度+1.9の濃厚寄りの味わいが上手く冷やでは味わいに出て来ないというか、キリッとした飲み口じゃないけど「だからといって……」といった具合に辛さ以外に際立ってくるものがない印象です。
それでも、醸造アルコール然とした味わいなく雑味のない辛さを堪能したいのなら、望みに適した日本酒だと言えるでしょう。
個人的な感想では、何をつまみにするにしても燗の方が美味しく頂ける純米酒だと思います。
特に冷やだと本当に「辛さ」だけが口の中に残る後味に感じられるので、燗を付けて円やかさと微かな酸味等を際立たせて「濃厚さ」をブーストする方が碧龍の旨味を引き出していると強く感じます。
まぁ、燗を付けるとなると「呑む時期限られるじゃねぇーか」って話もあるんですが。
ともあれ、黒瀬個人として言わせて貰うなら、冷やでの普段呑みにこの碧龍を選ぼうとは思いませんね。